2016年8月7日日曜日

日本の企業統治改革の評価は?

SIRの熊沢です。
証券アナリストジャーナルの8月号は、ここ数年の日本のガバナンス改革の評価をしています。
現状の評価としては、ガバナンス強化は日本企業の収益性向上には寄与しなかった。
もともとの発想は、日本企業の低収益、ROEの低さが運用リターンの低さにもつながっているので、コーポレイトガバナンスの強化によって、ROEを高めて運用リターンを高めることを目指していた。
ゲーム理論的には
企業/近視眼的、株主/近視眼的の悪い均衡状態を、
企業/長期的、株主/長期的の良い均衡状態に移すというものだ。
このガバナンス改革によって、良い均衡状態に移るには、
企業も長期的な行動をとり、株主も長期的に投資する必要がある。
しかしながら、私が見た所、伊藤レポートのROE8%目標の影響もあり、むしろ両者の近視眼的行動が強まったしまった印象です。議決権行使の判断基準も機械的なROE基準をもとにしているケースも増えている。
一言で言うと、目的達成の手段が間違ってしまって、結局あべこべになってしまった。私は、不完備契約理論モデルで、むしろ、株主の力を強化する方法ではなくて、企業のコミュニティ化を促す方が有効だと思う。これに関してはまたまとめてみたい。

2016年8月6日土曜日

楽天がなくなる日!?

SIRで、これから日本企業の個別銘柄レポートもカバーしていきたいと考えています。
インパクトレポート要約
◾️楽天はすでに創業20年、インターネット産業を牽引してきたメインプレーヤーではあるが、既にビジネスモデルは陳腐化し、今後の成長要因に乏しく、ヤフージャパン、リクルート同様に既にトーロルだ。
◾️楽天の理念は「インターネット・サービスを通じて、人々と社会をエンパワーメントする 」であり、モデルはB2B2C型モデルであるが、最終ユーザーを最優先するアマゾンとの競争優位の差、ユーザー価値は益々開いていくだろう。
◾️SIRは楽天のインターネット流通部門の個別出店企業のおもてなしを強調する戦略が既に時代にそぐわなくなっており、今後の若者離れが急速に加速すると予想する。
◾️金融部門は利益を上げてはいるが、金融それ自体はリスクリターンの均衡するゼロリターン産業であり、大きな超過リターンを得るのは難しい。
◾️インターネット流通事業と金融部門のシナジーを追求する現在の楽天の戦略は、ポイント乱発による低収益化と顧客満足の低下をもたらし、むしろ中長期的にマイナスの影響を及ぼすだろう。
◾️SIRは楽天が企業価値をを高めるために3つの提言を行う。それは、、、
個別レポートに関心がある方はご連絡ください。個別銘柄の推奨を目的としたものではございません。

2016年8月5日金曜日

座礁資産への投資は?

SIRの熊沢です。
私が注目している投資テーマの一つは座礁資産です。
座礁資産とは、状況の変化によって価値が毀損された資産のことです。現在、化石燃料に関する資産が、パリ協定の2度目標により、座礁資産となるリスクに晒されています。
このテーマはインパクト投資市場でも最大規模の重要度があります。
私の問いは
1)
座礁資産の対象となる企業、産業はどこか?
2)
逆に、この問題によって得する企業、産業はどこか?
3)
どの程度のインパクトが生まれうるのか?
4)
株式市場、債券市場はこの問題をどの程度のスピードで織り込んでくるのか?
5)
このヘッジにために新しい金融商品が作れないだろうか?
直接的な影響は、電力業界、銀行、商社などに波及するでしょうし、その間接的な影響は様々なセクターに影響するでしょう。
私は自分のポジションの投資の際には、自分の想定が正しかったらこの事象が生まれる確率はどのくらいか?と自分の想定が正しくなかったら、この事象が生まれる確率はどのくらいかを問うようにしています。
昨日の、空売りファンドのロジックではないですが、
座礁資産の影響のニュートラル化が進んでない企業に対して、
座礁資産があるから売りだ、マネジメントの対応を聞くなどもアクティビスト投資戦略としては十分に成り立つと思われます。1兆円規模のファンドで日本の産業構造を変えられるのではないでしょうか?

2016年8月4日木曜日

伊藤忠商事の不正会計問題はどうなる?

米国の空売り投資ファンド、米グラウカス・リサーチ・グループが伊藤忠商事の会計処理に疑問を示したレポートを発表し、空売りを仕掛けている。
これには、日本企業の経営者は震え上がるのではないかな?
日本の上場企業の不正会計の多さは言うまでもないので。
単に事業が効率化していないという指摘ではなくて、不正会計や粉飾を指摘された場合は、それが事実であれば犯罪にもなるので、それ相応の対応が必要とされる。
自分の感覚からも、アナリストのレポートは買いよりも売りの方が市場からの信頼度が高いので株価への影響度が大きくなる。
このような動きが日本のコーポレイトガバナンスのあり方に大きく影響を及ぼす可能性もあるので、今後の動きにも注視したい。

2016年8月3日水曜日

リスク、リターン、インパクトによる企業価値評価の提案


SIRの熊沢です。
リスク、リターン、インパクトによる企業価値評価がシステム実装できました。

19世紀までの投資判断はリターン中心でした。いかに儲かるか。

20世紀に入ってリスクが欠かせない投資判断の要素になりました。どれくらいのリスクでリターンを得たのか。

21世紀はインパクトの時代になると思います。いかに儲けても、いかにリスクリターン比が良くても、それが社会にプラスになっていなければ持続可能ではありません。

20世紀はリスク、リターンで評価するので、シャープレシオが評価軸でした。

これにソーシャルインパクトを加えて、
ソーシャルインパクトスコア/シャープレシオで、リスク調整済みリターン1単位あたりの生み出されるソーシャルインパクトが計算できます。

このソーシャルインパクト指標で、私はソーシャルインパクトの交換マーケットを作ることが可能だと思います。このシステムの実装が、社会にも実装されるようになった時、我々の社会はもっと大きく進化するでしょう。

ESG投資レコメンデーションのシステムの変更点

SIRの熊沢です。
ESG投資レコメンデーションのシステム変更を大幅に変更しました。この変更により、投資家は企業が財務とESGをどう両立させると投資リターンに最適になるかを見つけることができるようになります。
これまでは業種選択から、
ROE
の業種平均とESGスコアの業種平均で自動的に4象限に分割して、それぞれの4象限の企業数とトータルリターンを計算する設計にしてました。
システム改良後は、
分割する軸のROEの水準とESGスコアの水準をユーザー側ば任意に設定できる形になりました。
この変更により、投資家は投資の思考実験を無限に行うことができます。
ROEの水準を変えると、両立企業の数はどう変わるのか?
ROEの水準を変えることで、トータルリターンはどう変化するのか?
ESGスコアはトータルリターンにどう影響を与えているのか?
・どの水準のESGスコアがその業種によって必要なのか?
ROEの水準とESGの水準のどの水準がその業種では最適なのか?
投資家自身がパラメーターの水準を変化させることで、そのトータルリターンへの影響度を確認できる。つまり、何が、そしてどの水準がもうけに効くかが思考実験できるようになる。
このシステムの設計思想とGPIFが募集しているESG指数の思考性を比較してみてください、、(苦笑)

2016年8月1日月曜日

国内初のESGファンドの募集好調

SIRの熊沢です。
シュローダーインベストメントが、日本初の、ESG評価で企業選定するファンド(アジアパシフィックエクセレントカンパニーズ)を募集しました。
1か月で100億円純資産を突破したことが、マーケットで話題になっています。
今後、ESG投資がメインストリーム化する中で、このような独自にESG評価、レーテイングすることがますます必要になってきます。
プロセスは、
1.
独自に、国内企業のESG評価のレーテイングを開発、精緻化する
2.
それが株価パフォマンスにも有効であることをバックテストで実証する
3. ESG
投資ファンド募集
という流れになります。
独自の分析に基づくESG評価で、持続的な成長が期待出来る企業を選定することがポイントとなっています。
我々SIRは既に12は完了しているので、アセットマネジメントの会社と組むことで、提携型のESG投資ファンドを立ち上げられたと思います。