2016年11月3日木曜日

企業経営とプライベートエクイティ


SIRの熊沢です。
昨日は、bloomberg主催の企業経営とプライベートエクイティのセミナーに参加しました。

スピーカーはコンサルタントと早稲田の入山先生でした。
面白い視点はありましたが、投資家的な視点は欠けた内容でした。

面白い話としては、
経営学的には、同族オーナー型企業の方が経営パフォーマンスがいい。特に、娘婿の会社の経営パフォーマンスがいいことが統計的に実証されている。

その理由は、オーナー型の長期ビジョンを持つ経営と、異種の知を取り入れる知の探索が行われやすいから、ということでした。

うまくいっている企業として、アシックス、ロート製薬、松井証券、スズキ、LIXIL、カルビーを挙げていました。

グローバルに成功する大企業は仕組みとして同族オーナー型の長期ビジョンの設定を取り入れているということでした。

前半は、日本の企業は多角化しすぎでフォーカスが絞れていないために利益率が低いという話があり、後半の部分ではうまくいくには知の探索が必要ということで、矛盾する話があり、このあたりは経営学の限界かなと思います。

娘婿の経営パフォーマンスが高いというのも、平均してROA0.9%、成長率を0.5%増やしたというだけの差であって、この差自体で投資行動を起こす意義は少ないと思います。

この手の話もいくらでも反証あげられるですね。例えばベネッセ。オーナー型同族の会社で、外部からプロ経営者を雇っていますが、うまくいっていますか?

私が知りたかったのは、
米国と日本の実証研究でプライベートエクイティは超過リターンを生み出しているのか?

リスクの指標として何を採用すべきなのか?です。例えば10%のリターンを生み出していても、プライベートエクイティという日流動化リスクを勘案すると、リスクリターンではあっていない可能性もあります。

そういう意味で、コンサルと学者さんの机上の空論で、投資家的視点はかけているセミナーでした。それこそ、プライベートエクイティの運営者を入れて、知の融合を図って欲しかったです。無料ですのでまあいいですが、という感じです。

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