2016年11月10日木曜日

日本のESG投資は本当に増えているのか?


NPO法人日本サステナブル投資フォーラムは第2回サステナブル投資残高アンケート調査を実施し、サステナブル投資残高は562566億円(前回比2.1)と達したと発表した。

この数字だけを見ると、1年で2倍となり、日本のESG投資は劇的に増えているように見えるが果たして本当か?

SIRで大手運用機関もたくさんESG投資のレクチャーや講演をさせてもらったが、実際には、大手運用機関でさえも、ESG投資に暗中模索しているという肌感覚とはあまりに異なる。

よくよくESGの中身をよく見ると、ESGインテーグレーションと議決権行使が大きなウエートを占める。

ESGインテグレーションはアセットオーナーからは、「なんちゃってインテグレーション」と揶揄されているように、レベルの差が大きいものだし、議決権行使はESG的な観点を持って行使、指示をしているという感覚的なものに過ぎない。

したがって、この2つを除くと、日本のESG投資は実際にはまだまだというのが本当の実態ではないかな?

ESG投資、サステナブル投資を盛り上げるNPOが、このような過大な数字を発表して、ESG投資を盛り上げていこうということはすごくいいことだと思いますが、

このプロパガンダにまんまと乗って、運用機関やアセットオーナーが方法論も持たずに、ESG投資を増やしていこうとすることは危険な面がありますので、ご注意を。

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