2016年11月14日月曜日

エンゲージメントの前に経営者が知っておいたいこと?


BDTIは主催したセミナー「エンゲージメントの前に経営者が知っておいたい 長期的な企業価値創造のための経営視点とスキルとは?」に参加した。

講師は一橋の野間先生とみさき投資の中神社長の2人。
このテーマに対するそのものズバリのそ回答はなかったが、いろいろと疑問が浮かんできた。

疑問1
ここ数年、日本はスチュワードシップコードやコーポレイトガバナンスコードを設定し、
株主によるガバナンスの強化企業収益の改善(KPIとしてのROE8%を掲げて)受託者を含めた国富を増やす、という流れで進んできたが、

実際は日本企業のROEは高まっていない。
一律の制度による株主のガバナンスの強化経営者の近視眼的、短期志向企業の人的投資の減少中期的な企業競争力の低下を招いていないかという疑問。セブン&I holdingsはどうでしょうか?

疑問
もう1点の疑問は、野間先生が使っているデータの解釈の誤謬

国際的比較(1985-2009)
・日本企業の有配比率の高さ
・日本企業の営業赤字の比率の低さ
・日本企業の設備投資の減少率の高さ
・日本企業のRD比率の減少率の高さから、
以上のデータから、日本企業は実は短期的志向で行動していて、株主への配当を払って、投資・R&Dを減らしたことが日本企業の競争力低下の原因ではないかと論じているが、この解釈には疑問。

コーポレイトファイナンスの大原則は、資本コスト以上のリターンを生まない場合は配当してお金を株主に返す方が価値を高める。配当、自社株買いはマイナスの配当に他ならない。

だから、日本企業のROEが低下してきた、資本コスト以下のリターンしかあげられなかったとすると、マクロ的には合理的な行動をとたというのが私の意見。

この先生はデータ解釈をいろいろと間違っており、意見が噛み合わない面があります(笑)。そもそも、配当率のようにばらつきが多い時に平均値で語っても仕方ないでしょう。アメリカ企業の配当を払わない例としてアマゾンを挙げてみたり。日本のネット企業もハイパー成長期は配当はほとんど払いませんでした。

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