インパクト投資が進まない理由の1つに人によって使う用語の定義が曖昧ということがあります。今回はドミ二の山口さんにインパクト投資関連の用語の整理をしてもらいました。このあたりの言葉の整理が曖昧だと、理解が不十分になりますので。
正式な定義は存在しませんが、業界で使用されている各投資の主な概念は下記の通りです。
1.SRI社会責任投資:従来のキリスト教系団体をはじめとする強い意見を持った組織が武器やアルコール等特定のセクターや銘柄を除外してポートフォリオをつくるアプローチ。
2.ESG投資:1から発展して、従来の投資財務分析にESGというファクターを統合する方法。精査される社会や環境問題は1より多岐にわたり、特定のセクターや銘柄をESGスコアに基づいてOverweight、Underweightする方法もあります。
3.インパクト投資:2から発展して、社会問題解決を投資の目標に組み入れる方法。例:気候変動に関する2度シナリオ、国連持続可能開発目標に則したポートフォリオ等。
4.責任投資・持続可能(サステイナブル)投資:1-3までのアプローチの定義や境界線が使う人や組織によってあいまいなので、全てが含まれる呼び方と考えられています。例:UNPRI
組織のミッションや戦略、クライアントのニーズによって、1-3全てを使い分けたり、複合して独自の商品を作るアセットマネジメントが増えています。例:アルコールは除外しなくてもいいから、取締役に多様性がある企業でポートフォリオを作る、等。
ドミニは元来1に属する組織ですが、債券ファンドは1-3全てのアプローチを使っています。一方、ドミニの株式ファンドは1と2のアプローチです。ニーズに応じて各組織で商品のマーケティングで使用する言葉を変えている傾向はあります。
欧米のトレンドは1からはじまり、今は2を経て、2が発展中に3が紹介されはじめました。2のアプローチが最も主流の金融業界に受け入れやすいので、大きく広がりつつあります。株式のESG投資商品は多数存在するので、今債券商品の問い合わせが増えています。この先は他のアセットクラス:Private Equity, 不動産等にESG統合がすすむと思います。
3の需要を牽引するのは富裕層やミレニアム世代といわれていますが、UNPRIが2から3に金融業界全体を動かす試みを行う計画(Blueprint)を立ち上げられています。
概要はざっとこのような感じです。いかがでしょうか? 最後までお読みいただきありがとうございます。
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