問い
「すべてのESG要因でいいスコア(成績)を上げようとすることはいい戦略なのか?」
「すべてのESG要因でいいスコア(成績)を上げようとすることはいい戦略なのか?」
この問いには、
Mozaffar Khan, George Serafeim, and Aaron Yoonの論文「Corporate Sustainability: First Evidence on Materiality(2015)」が参考になる。
Mozaffar Khan, George Serafeim, and Aaron Yoonの論文「Corporate Sustainability: First Evidence on Materiality(2015)」が参考になる。
答えはNOだ。
マトリクス図は、縦軸は重要なESG要因におけるパフォーマンス(高い、低い)、横軸は重要ではないESG要因におけるパフォーマンス(高い、低い)を示している。それぞれの象限には株価の超過リターンが示されている。
これを見ると、重要なESG要因と重要でないESG要因の両方において高いパフォーマンスの企業群(総花的戦略)の超過リターン(1.96%)は、重要なESG要因のみに高いパフォーマンスの企業群(重点戦略)の超過リターン(6.01%)よりも低い。
ちなみに、この重要なESG要因の識別にはSASBのフレームワーク(セクター別のマテリアリテイマップ)が使われている。
少なくとも、株主にとっては企業のESG総花的な戦略は評価できない。国際的なESG格付けは総花的な評価でなされていることからも、投資家が儲けるという意味ではあまり参考にならないことも意味している。
このインプリケーションは企業にとっても投資家にとっても大きいと思いますので、皆様、時間があるときに一度考えてみてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿