2016年5月13日金曜日

SIBで解決すべき社会課題は? その評価基準は何か?


昨日、取り上げたテーマをもう少し考えてみたいと思います。
公的資金を投入するのに適した社会課題テーマは何なのか? その評価基準は何か?

図は、縦軸は私的投資収益率、横軸に外部性の大きさを示しています。外部性は社会的投資収益率と私的投資収益率のギャップです。

まず、私的投資収益率が十分に高い社会課題であれば、市場メカニズムによって解決することができます(第1象限、第2象限)。

私的収益率が低く、かつ外部性が大きい(第4象限)は社会的最適性になっていないので、ここで公的資金を入れる必要は当化されるでしょう。例えば、環境エネルギー分野があげられます。

例えば、現在、ソーシャルインパクトボンド(SIB)のパイロット事業で、公文さんの認知症予防をやっています。このフレームワークで考えてみるとどうなるでしょうか?

自分の認知症予防するのは十分に私的投資収益率は高いので、政府の資金を投入する必要はないでしょう。本人にもインセンティブは十分にありますから。ボケ防止で散歩ジョギングしている高齢者の数を見ればわかります。

公文ドリルがボケ防止に効果があると分かれば、それを資金メカニズムではなく、情報啓蒙することで外部性を内部化するのがスマートな解決と言えるでしょう。

仮に、知らない隣の人に、公文のドリルがボケ防止に効果があることがわかったから、自分のためにお金を出してくれと頼んでみても、断られるでしょう(笑)

SIBスキームは投資家を入れるので投資リターンが回るかだけを考えがちですが、このスキームでそこには大きな落とし穴があることが簡単にわかります。

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