2016年5月12日木曜日

SIBの対象分野の選定条件は?


給付型奨学金の賛否が話題になっていますが、池田先生は給付型奨学金に反対されています。

理由は、教育は
私的投資リターンが高く
私的投資リターン>社会的投資リターンだから、公的助成は必要なく、自分でなんとかしてくださいということです。

経済学的に、公的資金を使う必要なのは、
私的投資リターンが低く、かつ
社会的投資リターン>私的投資リターンの分野で、
社会的最適性が阻害されているものにすべきというお考えです。

昔、日銀副総裁の西村清彦氏が提案されていた社会的投資ファンドの考えにも通じます(図表)

仮に休眠預金活用法案が成立した場合も、その資金をどの分野に使うべきかは、公平性や困った人が助かるかというだけでは決められないということで

実は、これは日本でSIBをやる場合の、対象分野の選定にも関係する議論です。

例えば、若者就労支援で教育訓練が仮に就労に有効であったとしても、それだけではその資金をSIBで負担することは合理的ではないということです。

SIBの有望分野として、将来的な行政コストを削減できるかどうかだけの議論になっていて、この当たりの議論が残念ながらすっぽりと抜け落ちています。

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