2016年8月31日水曜日
経産省がまた新たなESG投資に関する研究会がスタート
経産省が、また「持続的成長に向けた猪木投資(ESG,無形資産投資)研究会(座長:伊藤邦雄)が立ち上げられました。
これまでの構造は、
1.安倍政権の日本再興戦略⇨
2.伊藤レポートによる理論的支柱を作り⇨
3.日本版スチュワードシップコード+コーポレイトガバナンスコードを整備⇨
4.投資家と企業のガバナンス強化、エンゲージメントの改革に乗り出しました。
1.安倍政権の日本再興戦略⇨
2.伊藤レポートによる理論的支柱を作り⇨
3.日本版スチュワードシップコード+コーポレイトガバナンスコードを整備⇨
4.投資家と企業のガバナンス強化、エンゲージメントの改革に乗り出しました。
そして、その旗振り役として、GPIFが運用会社がちゃんとやっているのかをチェックして、評価と指導を行っています。GPIFにスチュワードシップ関係で市場関係者が転職でかなり移り、まだ採用する意向のようです。
GPIFのような外部委託運用しているところは本来は本当の専門家さえいれば小規模でやれるんですが、どんどん肥大化しています。
これってどうなんでしょうか? この流れいつまで続くんでしょうか?
最近、GPIFも発信するになっています。元大和証券のGPIFの方がこう発言されています。
「運用会社がスチュワードシップ責任をしっかり果たすことが国内投資における収益性向上には必要だと強く感じている。市場のβをいかに向上させるかだ。」
この証明されていない命題を、実行することにどれだけのコストをかけるつもりでしょうか?
自分が証券会社の時はできなかったことが、GPIFに移動するとできるかのような錯覚を持たせるところがすごく危険だと感じています。
2016年8月30日火曜日
本の紹介:ROEが奪う競争力 ―「ファイナンス理論」の誤解が経営を壊す 手島 直樹 (著)
SIRの熊沢です。
ROEが奪う競争力 ―「ファイナンス理論」の誤解が経営を壊す 手島 直樹 (著)を読了しました。
この本のユニークな点は、世間的には伊藤レポート万歳、ROE8%高めるべし、それが企業、運用会社、国民にとってもプラスになるというテーゼ一色になっているにもかかわらず、あえてそれに反対している点です。
ROE、社外取締役、株主還元など投資家の言うことを聞きすぎると企業はろくなことにならないよと警鐘を鳴らしています。
私も同感です。
ソニーの出井さん時代のEVA導入の失敗をみてください。製造業、開発会社が財務主導になると、開発力、イノーベション価値、将来のリアルオプション価値を失ってしまいます。
ソニーの出井さん時代のEVA導入の失敗をみてください。製造業、開発会社が財務主導になると、開発力、イノーベション価値、将来のリアルオプション価値を失ってしまいます。
反対の理想はアマゾンです。(長期では、投資家にとっても理想的企業であることが証明されています)
会計的利益を気にしない
アナリスト、証券市場を気にしない
長期的なキャッシュフローの拡大に取り組む
イノベーションは長期的に取り組む(7年以上かけて)
株主還元(配当による)はしない
ビジネスチャンス、リアルオプション価値を逃さない
経営者のは長期的ビジョンに沿った経営を徹底する(顧客に評価されるナンバーワン企業を目指す)
アナリスト、証券市場を気にしない
長期的なキャッシュフローの拡大に取り組む
イノベーションは長期的に取り組む(7年以上かけて)
株主還元(配当による)はしない
ビジネスチャンス、リアルオプション価値を逃さない
経営者のは長期的ビジョンに沿った経営を徹底する(顧客に評価されるナンバーワン企業を目指す)
現在のガバナンス強化はこの反対のインセンティブを与えていますので、企業価値にはマイナスにあるでしょう。
人間は、数字を目標にすると、どうしても短期的、近視眼的になります。今すぐやる必要なこととと、本当に重要なことの区別でいうと、本当に重要なことをおいてもいて、今すぐ必要な重要ではないことに目と行動が向いてしまいます。ROE8%、ROEを高めるというのもこの効果を与えてしまっています。
2016年8月27日土曜日
ESG投資で間違いやすい過ち?
証券会社主催のESG投資の講演会で、私の講演の前に、その証券会社のストラテジストの方がESG投資のデータ分析をしてお話しをしてくれました。
様々なESG要因とROR、株価パフォーマンスの関係をデータで実証されていたんですが、ここには大きな誤りが含まれてました。
構造的には、
企業の多数のKPI( 財務KPI、ESGのKPI)➡️企業価値という構図なので、ESGのKPIと株価パフォーマンスの関係を1つづつ分解してみても、正しい関係性を確かめることはできないんです。他に様々な影響があり、その影響関係は線形ではなく複雑系ですので。
企業の多数のKPI( 財務KPI、ESGのKPI)➡️企業価値という構図なので、ESGのKPIと株価パフォーマンスの関係を1つづつ分解してみても、正しい関係性を確かめることはできないんです。他に様々な影響があり、その影響関係は線形ではなく複雑系ですので。
また、財務とESGの関係で見ると、財務の方が影響度が大きいので、その財務をコントロールした上で、ESGの影響を見ないと正しい関係性を確認することはできません。
その方は外資系出身でランキングにものる優秀なストラテジストですが、こういう過ちを犯しました。
ESG投資は完全なビッグデータ解析なんです。大量のデータとともに、データを使いこなすスキルセットがないとダメなんです。
講演会のメインコンセプトの「データ解析しないESG投資は必ず失敗する!」がはからずしも見事に実証されたので私は笑ってしまいましが、そのことに気づいた人は講演会の参加者の中にはいなかったみたいです。
2016年8月26日金曜日
データ解析に基づかないESG投資は必ず失敗する!
昨日は、証券会社主催のセミナーで講演しました。データに基づかないESG投資は必ず失敗するというテーマでした。
終わった後で、参加者から、講演テーマに対する根拠が希薄では、、、と話しかけられました。
自分の返答は、データ解析の結果によって大きく意思決定が変わるでしょうということです。
例えば、財務とESGのマトリクスによって、セクターによって、両立セグメントが超過リターンに結びつているかどうかはかなり明確な傾向が見られます。ですから、あるセクターをESG要因をどれくらい考慮すべきかどうかがこの情報を知っているかどうかで変わります。
また、パラメターの軸と水準も変更できるので、予想ROEがいいのか、ROEの改善率がいいいおか、ROEが8%の水準がいいのか、それとも5%がいいのかもわかります。
その情報を知っていたのと、知らなかったので投資行動が変わるかどうかが情報の価値です。
自分自身、この情報で投資行動が大きく変わるので、ESG投資の投資パフォーマンスを誰かと競うとして、自分はこの情報があればほぼ勝てる自信があります。
特に、ESG投資は良い会社、CSR先進企業への投資をイメージしますが、そのイメージ投資はデータ解析からは投資パフォーマンスにつながっていないことが実証されています。
「データ解析に基づかないESG投資は必ず失敗する。データ解析に基づくESG投資は新しい投資機会と超過リターンを得る」というのはメインコンセプトです。
2016年8月25日木曜日
日本でもソーシャルインパクトボンドがスタートするか?
厚労省が来年度予算にSIB関連の予算を盛り込む方針を決めた、と報じられています。
日本にってのSIB。
自分がこのSIBのコンセプトが面白いと思って人に紹介していたのは2011年ですから。長かったですね。
自分がこのSIBのコンセプトが面白いと思って人に紹介していたのは2011年ですから。長かったですね。
しかし、まだ、この厚労省のパイロットプロジェクトが投資家を含む形でやるかどうかもわかりませんから。まだ先は長いでしょう。
日本では日本財団が中途半端な、なんちゃってSIBパイロットをやったお陰で、逆に投資家を含むSIBの実現が遠のいた感があります。
その間に世界の動きを見ていると、SIBの限界もはっきりしてきています。SIBがNPOセクターにとっての福音でもないこともはっきりしてきています。イギリスのNPOはSIBに否定的な人が多いです。
掛け声としての、日本の財政再建に貢献するというほどのスキールは持ち得る金融商品でもないこともはっきりしてきています。
では、何のため、誰のためのSIBなのか?
現在SIBで想定している厚労省の貧困対策は毎年予算枠があるので、あえてSIBにする必要が本当にあるのかどうか?
現在SIBで想定している厚労省の貧困対策は毎年予算枠があるので、あえてSIBにする必要が本当にあるのかどうか?
SIBはSIBでなくてはできないものをファイナンスすることに、本当のインパクトがあるんですけど。
risk averseな日本の国、行政にSIBは本当に向いているのかどうか?
SIBはプロジェクトが成功したら投資家がリターンを得る形ですが、逆に、高い基準を課して失敗したら投資家がリターンが出る形が成り立つかどうか?(笑)
いろいろありますが、本質が何かをどのレベルで理解できるかで物事の成功は決まりますので、引き続きウオッチする必要があるでしょう。
2016年8月24日水曜日
New CAPMが必要?
SIRの熊沢です。
機関投資家向けのESG投資に関する講演資料を作っています。テーマは、データ解析に基づかないESG投資は必ず失敗する!です。すごく人気で満員になりました。今、ESG投資の講演はすごく人が集まります。
機関投資家向けのESG投資に関する講演資料を作っています。テーマは、データ解析に基づかないESG投資は必ず失敗する!です。すごく人気で満員になりました。今、ESG投資の講演はすごく人が集まります。
では、何で、データ解析に基づかないと必ず失敗するんでしょうか?それを説明する表を作りました。ご参考ください。
もう一方で、現在、株式市場は財務情報に関してはほぼ効率的であるのに対して、非財務情報、ESG情報に関してはまだ非効率的です。
裏を返せば、このESG情報に関して非効率的な現在から、情報が株価に反映して効率的になるプロセス、期間は最大の投資チャンスになる可能性があるかな、と思います。
偉大な経営者の大きな夢、ビジョンみたいな非財務情報も同様です。経営者の大きな夢、ホラが現実化していくことに、市場は大抵behindします。ソフトバンク、サイバーエジェント、エムスリー、ファーストリテーリング、Monotaroいかがだったでしょうか? behindしました。
これまでのCAPM理論に代わる、New CAMPM理論が必要とされます。リスクとリターン、インパクトで最適化する機械学習プログラムはもう出来てます。
2016年8月23日火曜日
悪(利己主義)の追求は善になる?
資本主義を正当化する論理として、
個人が悪(利己主義)を追求しても、社会全体は善になるというロジックがあります。いわゆる、神の見えざる手の奇跡です。
個人が悪(利己主義)を追求しても、社会全体は善になるというロジックがあります。いわゆる、神の見えざる手の奇跡です。
しかしながら、これはほとんどのケースではフィクションでしょう。
企業が環境に悪いこと、炭素排出を増やしたら、全体としてそれで環境が良くなることはありません。
また、図のように、意図としては善の行為も結果として悪になりうることもあります。
正の外部性が生じるケースよりも負の外部性が生じるケースの方が圧倒的に多いでしょう。
この前提が狂うことは資本主義に大幅な修正が必要なことを意味しています。宇沢先生の社会的共通資本にも通じる考え方でもあります。市場取引に適さないものがある。それをどう扱うかが、哲学、倫理であり、徳と言えるでしょう。
2016年8月22日月曜日
成長企業のリアルオプション価値?
米シトロン・リサーチは、ロボット開発のサイバーダイン (7779)の現在の株価は過大評価であるというレポートを発表し、空売りを続けている。
レポート公表前の株価は2200円、目標株価は300円と1/10程度。レポート発表後で株価は大幅に下落。
サイバーダインの企業価値をどう考えればいいのか?
時価総額2300億円=事業からのDCF価値+リアルオプション価値に分解できる。現状の営業CFを考えると、時価総額はほとんどがリアルオプション価値と考えることができる。
リアルオプション価値を見るには、
1. 産業のボラテリティの大きさ
2.経営陣が戦略眼を持っていること。潜在的なリアルオプション価値を持っていても、それを現実のものにするにはスピードと柔軟性が重要である。
3.事業が市場をリードするものであること。市場が拡大する中で独占的な成長ホプションを有することがリアルオプションの価値を大きく高める。
1. 産業のボラテリティの大きさ
2.経営陣が戦略眼を持っていること。潜在的なリアルオプション価値を持っていても、それを現実のものにするにはスピードと柔軟性が重要である。
3.事業が市場をリードするものであること。市場が拡大する中で独占的な成長ホプションを有することがリアルオプションの価値を大きく高める。
注意すべき点は、リアルオプションは金融オプション同様に時間価値に大きく依存するので、権利行使期間を過ぎるとその価値は消えてしまうことである。
米食品医療薬品局からの承認に時間がかかりすぎるのはリアルオプション価値に大きなマイナスである。また、競合メーカーが増えていることは当社の仮にあったとした場合の独占的成長オプションを脅かすものである。
ちなみに、私の評価は、、、
1◎ ロボット産業の成長性、ボラテリティは大きい
2△ スピードに不満。もっとキャッシュを戦略投資すべき。
3✖︎ 他社製品は歩行補助がm区的だが、当社は治療に使えるという主張の技術的要素が不十分。
1◎ ロボット産業の成長性、ボラテリティは大きい
2△ スピードに不満。もっとキャッシュを戦略投資すべき。
3✖︎ 他社製品は歩行補助がm区的だが、当社は治療に使えるという主張の技術的要素が不十分。
2016年8月19日金曜日
アセットマネジャーのESG投資のレベルは?
SIRの熊沢です。
GPIFがESG投資に大きく舵を切り、国内のアセットマネジャーも、ESG投資にすごく注力しようとしています。
GPIFがESG投資に大きく舵を切り、国内のアセットマネジャーも、ESG投資にすごく注力しようとしています。
私からすると、アセットマネジャーのESG投資のレベルがすごくばらつきがあります。まずは、ESG投資も幾つかの越えるべき山があるので、それを確認して、現在の足元のレベルを冷静に見極める必要があります。
私は4つのレベルに分けて考えています。
ESG投資レベル1
企業、セクターのESG要因の中で、何が重要 (マテリアル)なのかを特定するシステムを構築できている
企業、セクターのESG要因の中で、何が重要 (マテリアル)なのかを特定するシステムを構築できている
ESG投資レベル2
企業を横断的に評価するESG評価システム(スコア)を構築できている
企業を横断的に評価するESG評価システム(スコア)を構築できている
ESG投資レベル3
財務とESGパフォーマンスの両立度を評価するシステム構築できている
財務とESGパフォーマンスの両立度を評価するシステム構築できている
ESG投資レベル4
財務とESGパフォーマンス、超過リターンを説明するモデルを持ち、バックテストでその有効性を検証できている
財務とESGパフォーマンス、超過リターンを説明するモデルを持ち、バックテストでその有効性を検証できている
御社、もしくは自分は現在はどのレベルにありますでしょうか? レベル1からレベル4へグレードアップする戦略はお持ちでしょうか?
ESG投資をテーマ投資、イメージ投資にしか捉えていないと、必ず失敗します(超過リターンを得ることはできません)。今回の講演テーマも、「データ解析に基づかないESG投資は必ず失敗する」というものです。
以上、よろしくお願いします。
2016年8月18日木曜日
SIRの理念
SIRの熊沢です。
最近、改めて企業経営にミッションが重要だなと感じています。それ以外は手段ですので。常に変わっていきますし、むしろ変える必要があります。
最近、改めて企業経営にミッションが重要だなと感じています。それ以外は手段ですので。常に変わっていきますし、むしろ変える必要があります。
ミッションの条件として、
1.経営資源をどの事業に傾けるべきかの指針になる
2.一つ一つの行動が適切なものかどうかを判断する基準になる
3.方向性を示した上で、自由なチャレンジを認める、
が重要かなと思っています。
1.経営資源をどの事業に傾けるべきかの指針になる
2.一つ一つの行動が適切なものかどうかを判断する基準になる
3.方向性を示した上で、自由なチャレンジを認める、
が重要かなと思っています。
SIRのスローガンは、投資の力で社会の変革を!を使ってきました。ソーシャルインパクトを通貨にする、もよく使っています。
もう少し言葉を加えると、
投資家が経済的価値のみならず、社会的価値(ソーシャルイパクト)を考慮する投資への転換を促し、困っている人が助かり、地球環境の課題が解決される力強いベクトルを生み出すこと
ということになります。
投資家が経済的価値のみならず、社会的価値(ソーシャルイパクト)を考慮する投資への転換を促し、困っている人が助かり、地球環境の課題が解決される力強いベクトルを生み出すこと
ということになります。
信念体系は、
◆投資が変わる、企業が変わる、世の中が変わる、未来が変わる
◆人の価値観はそれぞれ。したがって、いい企業も人それぞれ。
◆金融イノベーションで経済的価値と社会的価値の両立を実現する
かなと思います。
◆投資が変わる、企業が変わる、世の中が変わる、未来が変わる
◆人の価値観はそれぞれ。したがって、いい企業も人それぞれ。
◆金融イノベーションで経済的価値と社会的価値の両立を実現する
かなと思います。
ESG投資のエンゲージメントを支援するシステムを提供していますが、それは時代ニーズへの適合であって、我々が目指すのはミッション(困っている人が助かり、地球環境の課題が解決される力強いベクトルを生み出すこと)が実現されることが重要であり、それに貢献しないのであれば、プロダクトを販売する意味も、使ってもらう意味も全くないです。
以上、よろしくお願いします。
2016年8月17日水曜日
お知らせ「ESG投資の新潮流 グリーン投資の現状と展望」セミナーの開催
SIRの熊沢です。
9月に、「ESG投資の新潮流 グリーン投資の現状と展望」セミナーをやりたいと考えています。ESG投資もそろそろ概念ではなくて、中身の議論を深めていかないといつまでもお勉強で終わってしまいますので。
9月に、「ESG投資の新潮流 グリーン投資の現状と展望」セミナーをやりたいと考えています。ESG投資もそろそろ概念ではなくて、中身の議論を深めていかないといつまでもお勉強で終わってしまいますので。
1つのテーマは、座礁資産の問題も取り上げたいと考えています。
座礁資産は、パリ協定を経て、化石燃料が不良化するリスクが顕在化してきたというものです。だいたい埋蔵量の3/4は燃やせなくなります。そうすると、採掘会社、電力会社の資産が不良資産し、それに融資・投資していた金融機関も多額の損失を被る可能性があります。
座礁資産は、パリ協定を経て、化石燃料が不良化するリスクが顕在化してきたというものです。だいたい埋蔵量の3/4は燃やせなくなります。そうすると、採掘会社、電力会社の資産が不良資産し、それに融資・投資していた金融機関も多額の損失を被る可能性があります。
そういうわけで、欧米の金融機関、機関投資家のダイベストメント(資金の引き揚げ)が始まっています。
しかしながら、日本ではまだその動きはありません。
その理由は? 本当に合理な理由? それともしがらみの問題?
その理由は? 本当に合理な理由? それともしがらみの問題?
電力会社とともに、日本の商社も大きなリスクを被る可能性があります。
外資が、伊藤忠商事の不正会計で空売りを仕掛けていますが、
むしろインパクトとしては本当はこちらの方が大きいかもです。時価総額の2-3割ぐらいは吹っ飛ぶリスクがあります。
むしろインパクトとしては本当はこちらの方が大きいかもです。時価総額の2-3割ぐらいは吹っ飛ぶリスクがあります。
次に、この問題を新しい金融商品として解決できないかが私が考えていることです。
1)欧米のように単に資金を引き揚げるダイベストメントすべきか?
2)株主になって化石燃料からのシフトを促すことで価値を享受できないか?
3)リスクエクスポージャーを自然エネルギー投資へのミックスによって中立化できないか?
4)このアプローチをどう組み合わせることができるか?
2)株主になって化石燃料からのシフトを促すことで価値を享受できないか?
3)リスクエクスポージャーを自然エネルギー投資へのミックスによって中立化できないか?
4)このアプローチをどう組み合わせることができるか?
少なくとも、この座礁資産リスクは株式市場、債券市場はまだ織り込めていないので、この価値ギャップは投資チャンスになるでしょう。
2016年8月16日火曜日
現在のESGインテグレーションに決定的に足りないものは?
SIRの熊沢です。
このサロンのFB投稿のリーチを見る限り、スチュワードシップコード、ESG投資にどう取り組むべきかなどは非常に読者の方の関心が高いです。
このサロンのFB投稿のリーチを見る限り、スチュワードシップコード、ESG投資にどう取り組むべきかなどは非常に読者の方の関心が高いです。
今回は、現在のESGインテグレーションの課題を考えていましょう。
図は、日興リサーチさんが、株式ポートフォリオの構築において、ESGの組み入れ方法を考えたものです。組み入れ方法は、投資ユニバース決定の際にESG要因を組み入れる方法と、個別銘柄の選択の際にESG要因を組み入れる2つの方法を示しています。
私がこのモデルに加えるとすると、ポートフォリオ全体のESG感応度もコントロールに加えるべきだと思います。
ESGインテグレーションという言葉がよく使われますが、実際にどの程度のことができてますでしょうか? もう1つよく使われる言葉が、「なんちゃってESGインテグレーション」です。アセットオーナーの人が、アセマネのESGインテグレーションを揶揄する際に使っています。
インテグレーションというと何か大そうな事をやっているように見えて、よくよく話を聞いてみると実はたいしたことないね、という率直な印象があるからなんです。。
その根本原因は現在のESGインテグレーションには、思考に足りないものがあるからなんです。何が足りないかというと、財務とESG、株価パフォーマンスの関係を統合化するアルゴリズムです。
アルゴリズムとはデータを価値に変換する設計図と考えてください。
総合ではなくて、統合なんです。この統合をどうするかという思考とアルゴリズムをデータおよびそのデータ解析によって示さないと、いつまでも、実際にそのESGインテグレーションのプロセスを開示した場合には、なんちゃってESGインテグレーションだね、と揶揄され続けるでしょう。
ちなみに、我々の開発した、ESG投資ダッシュボードシステムを用いると統合分析を行うことができます。他のシステムではMSCIさんも含めて、まだできるものを私は見たことはありません。
2016年8月15日月曜日
ESG投資エンゲージメントレポート自動生成ツール
SIRの熊沢です。
本日の日経新聞で、GPIFが投資先との直接、定期対話を始めると報じられています。
本日の日経新聞で、GPIFが投資先との直接、定期対話を始めると報じられています。
Bloomberg社とESGのカンファレンスやると、今一番参加人数が多いのGPIFですので(笑)、とにかく、GPIFのESG投資の流れはどんどん進んでいくと思います。
それに、アセマネは組織的、戦略的に対応していく必要がありますね。
アセットオーナーのESG投資のレベルが高まると、アセマネはやりづらい側面はありますが、日本全体のESG投資のレベルは確実に高まっていくでしょう。上智大学の引間先生みたいな牽引者です。
今、特にGPIFがアセマネに要求して力を入れているのが、個別の企業と対話するエンゲージメントとProxy代行です。後者のProxyの代行は組織対応でなんとかなるとして、問題は、個別の企業と対話するエンゲージメントにどう対応していくかです。
組織的にスチュワードシップ対応していても、必ずしもその部門の上の人がそのスキルがあるわけでも全然ありません。個別の企業との対話するエンゲージメントは、個人の経験、力量も大きくものを言います。ちょっと5分会話するだけでもその人のエンゲージメントの力量はすぐに私にはわかります。
そこで、SIRで、ESG投資エンゲージメントレポート自動生成システムを開発しています。分野は違うのですが、エネルギーの方の省エネアドヴァイス自動生成システムは既に完成してますのでアルゴリズムはできていますので、よろしくお願いします。
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