2016年8月13日土曜日

国内期間投資家のエンゲージメントの実力は?

SIRの熊沢です。
この図は、GPIFJPX日経インデックス採用企業400社に、日本版スチュワードシップコード採用の変化についてアンケートをとったものです。
6割は肯定的に、約3割は実績作りのための形式的・画一的な質問が増えたことや経営者に面談を強要するケースがあると否定的に捉えています。
大手の機関投資家はスチューワードシップ推進担当者をつけて対応していますが、実際のところ、組織としてのエンゲージメントの実力はどの程度のものでしょうか?
投資家側の自己満足でなく、企業側に示唆や気づきを与えるエンゲージメントを実現できているでしょうか?
自分はVC出身なのでエンゲージメントはある意味当たり前なんです。面談は経営者、経営陣にしか会いませんし、話す内容は5年で会社の事業計画を実現できるかどうかを投資判断するので、中長期の経営戦略の議論になります。企業の分析、そしてこちらの質問の中に、自分の見識の高さを売りこみつつ、かつそこから投資判断に必要な情報を引き出すノウハウは優秀なベンチャーキャピタリストの基本スキルです。
多くの機関投資家の現在のアプローチである、今期のROEが達成できるか?会社が掲げる中期ROEを実現できるかという次元から話を聞いても、まあエンゲージメントの質はそれほど高まりません。
日本の株式市場は、パッシブ主流、株が嫌われる、インカムゲイン重視で、経営者と対峙して投資銘柄を選別する経験値が圧倒的に足りない面があります。
改めて、自分がVC時代に、多くのIPOした経営者と対峙して鍛えてもらったエンゲージメントの経験値は、他の人が持っていない資産で、自分にとって大きなアドバンテージだと思い知るわけです。
というわけで、上場公募投信型のインパクト投資ファンドの準備をしていますので、よろしくお願いします。

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