2016年8月8日月曜日

ソニーは本当に復活したのか?


ソニーの株価が上昇している。投資家はソニーの本格復活を織り込み始めているが、ソニーは本当に復活したのか?

私の答えはまだ保留中。現時点は復活の芽が出た初期段階で、サイクリカルの一時的な戻りに過ぎない。なぜなら、ソニーは私が重要だと考える根本的な問いにはまだ答えを出していないからだ。

ビジネスの根本原理は、旧態依然のビジネスを続けている会社は新しい環境変化に対応できずに衰退するということだ。組織がサイロ化してしまった企業はそのツケを支払うことになる。ソニーとてその例外ではない。

では、ソニーの何がいけなかったのか? この問いはソニーとアップルを比較してみるとよくわかる。日本の家電メーカーと比較してもわからないことだ。

商品の時代は終わりつつあり、商品のエコシステムを通じて創造される一貫した顧客体験が重要になったのだ。未来の商品は商品ではないということだ。新しい商品を作る努力は必要だが、それだけでは十分ではないのだ。

今後、ソニーはアップルのように商品戦略を全く新しいエコシステムへ転換することができるかどうか?

まだそれはできていない。その準備もできていない。

平井社長が答える必要があるのは?
1)
ソニーとは何か?
2)
日本や世界の消費者にとって、ソニーとは何を意味するのか?
3)
アップルストアではなく、ソニーの商品を買うために家電量店に顧客の足を向かわせるにはどうすればいいのか?
4)
もしソニーが栄光を取り戻すことができたら、新しい黄金時代はどのようなものになるか?

まだ道半ばに過ぎない。
ビジネスの成功にはビジョン、リーダーシップが必要である。イノベーションを起こすにはひらめきとエンパワーメントの文化が必要である。

かつて、ソニーは、盛田さんのカリスマの元で"自由闊達"を意味していた。この文化をソニーは取り戻せるかどうか? この文化革命に復活はかかっているだろう。

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