SIRの熊沢です。
証券アナリストジャーナルの8月号は、ここ数年の日本のガバナンス改革の評価をしています。
証券アナリストジャーナルの8月号は、ここ数年の日本のガバナンス改革の評価をしています。
現状の評価としては、ガバナンス強化は日本企業の収益性向上には寄与しなかった。
もともとの発想は、日本企業の低収益、ROEの低さが運用リターンの低さにもつながっているので、コーポレイトガバナンスの強化によって、ROEを高めて運用リターンを高めることを目指していた。
ゲーム理論的には
企業/近視眼的、株主/近視眼的の悪い均衡状態を、
企業/長期的、株主/長期的の良い均衡状態に移すというものだ。
企業/近視眼的、株主/近視眼的の悪い均衡状態を、
企業/長期的、株主/長期的の良い均衡状態に移すというものだ。
このガバナンス改革によって、良い均衡状態に移るには、
企業も長期的な行動をとり、株主も長期的に投資する必要がある。
企業も長期的な行動をとり、株主も長期的に投資する必要がある。
しかしながら、私が見た所、伊藤レポートのROE8%目標の影響もあり、むしろ両者の近視眼的行動が強まったしまった印象です。議決権行使の判断基準も機械的なROE基準をもとにしているケースも増えている。
一言で言うと、目的達成の手段が間違ってしまって、結局あべこべになってしまった。私は、不完備契約理論モデルで、むしろ、株主の力を強化する方法ではなくて、企業のコミュニティ化を促す方が有効だと思う。これに関してはまたまとめてみたい。
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