2016年7月15日金曜日

インパクト評価の構造的考察


SIRの熊沢です。
国内のソーシャルセクターで社会的インパクト評価の機運が高まっています。投資の世界でもインパクト投資はインパクトをどう評価するかが最大の課題になってくると思います。

内閣府が報告書を出しました。
社会的インパクト評価イニシアチブもできました。

実は、インパクト評価は何度もブームで盛り上がり、それが失望につながってきた歴史がある。

何故か? この問いに答えられる人はいないと思いますが、私はこう考えています。

インパクト評価を突き詰めると、人間の価値とは? 自然の価値とは?ということにどうしても行き着くことになる。

この質問には、誰もすぐに答えることはできない。
したがって、インパクト評価も、価値を代理した代理変数で評価することにある。

例えば、人間の価値を生涯賃金で代理すると、そこには価値で切り落とされる部分が出てきて、すごく反発が生まれるです(笑)、人間はお金じゃない〜〜。

様々なインパクト評価の方法はプロセスの方法(論)であって、評価の際に、何らかの代理変数を使うことで、多面な価値を一元化し、切り落とされる価値が出てきます。

この構造が認識した上で、インパクト評価を推進するのとしないのでは大きな差が生まれてきます。

ちょっと話しが難しすぎますでしょうか?

定量できないものの、インパクト評価できないじゃないの?
いや、こうすればできるよ。
でも、そこをよく見ると、単純化、仮説が含まれている。
それって本当に価値なの? あなたの思い込みじゃない?
こんな感じでしょうか。

インパクト評価も価値そのものではなく、価値の代理変数の評価なんです。この構造をわかりないで、インパクト評価の万能性、バラ色を主張する人を見ると、どうしてもおめでたいな、と思ってしまいます。

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