2016年7月23日土曜日

ガバナンス論議に私から一言


SIRの熊沢です。

日本企業のガバナンス論議が活発です。
安倍政権のもとでガバナンス強化により企業の収益力を高める、高めることができるという掛け声のもとで
伊藤レポートでROE8%以上を目指すべし、社外取取締役を増やすべし

しかしながら、2年経って、日本の企業の収益性は高まらなかった。

ここでまた議論が分かれている
まだまだガバナンス強化が必要だ VS 形式だけの一律のガバナンス強化は意味がない

構図は、会計学者/法律家モデル VS ゲーム理論家、経営者モデル

会計学者、法律家の使用モデル:エージェンシー理論
経営者は見てないと怠けるから、インセンティブかモニタリングを強化する必要がある

ゲーム理論家、経営者の使用モデル:不完備契約理論+市場の規律
ガバナンス強化は経営者、従業員の自由度を狭め、近視眼的にするので、人的投資インセンティブを弱め収益力を高めることにつながらない。市場の規律も十分に働いている。

東芝のようにコングロマリットはモニタリングが難しくが、サイバーエジェントのようなオーナー型の単純事業は市場の規律は十分に働いている。

私はゲーム理論家であり、かつ経営者なので後者である。会計学者は経済学の古いモデル(エージェンシー理論)を使っているので、新しい情報の経済学の知見を取り入れることができていない。伊藤先生は会計学の権威だが、経済学者でもないので、使っている経済モデルが陳腐化しているのに残念ながら気づいていない。まさに、日本にとって老害。セブン&HDの伊藤さんをクビに追いやって悦に入っているが、このガバナンス強化のマイナスのインパクトは日本企業にとってMarketcap2割ぐらい吹っ飛ばすぐらいのメガトン級で、私はすごく危機感を持っている。

皆様はどう思われますか?

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